苦痛を生きる理由は

10年ほど前のある時期のこと。ひとりでは到底抱えきれないほどの苦痛を、しかし、抱えなくてはならない状況下に置かれた時があった。そこで、私が、生きながら苦痛を背負うために取った方法は、内面を、物事を、とことん思考し分析することだった。そして、…

睡眠薬運ぶ水辺へと

荒れた気分が続いてしまった。暴れる感情を鎮めようにも、居ても立っても居られなくて、じっとしていられなくて、でもやみくもに動き回ったところで、何も生じなくて、強いて言うならば「無」が生まれるそれだけで、だめだ、あやふやなものを書くことすら腹…

孤独と感謝と勝利

孤独をより意識させることは共感だろう。しかし孤独それ自体のもつ悲観は、イメージよりもずっと少なくて、思いの外心優しく柔らかくそして温かな拠り所であると信じている。孤独は他者によって感ずるものであって、どれほど仲の良い、親愛に満ちた存在が身…

スピッツのハチミツ

スピッツのアルバム『ハチミツ』が好きだ。 はじまりから終わりまでのすべての曲から、都会らしさをまったく感じさせない。その代わりに、むせるほどの草木の匂い、淡い春の薄い緑の原風景がある。 あやうげなほどに澄んだ緑に囲まれて、まるで幼くなった愛…

水流のひとさじ

いま、‪伝えたいこと、晒したいことの出力を、ツイッターからブログへとすべて移してみたときに、私は、思ったよりも熱く熱く伝えたいことや晒したいことがあることを、そのあまりに多いことを、美醜含めて余りあるほどに感じた。また幾ら文章を書いたとして…

執着

もしも私に「恋をしている」、という状態があるならば、それは限りなく「執着」に近いだろうし、またはあらゆる可能性を「恋」に圧縮して閉じ込めているのだろう。もしも、それら不毛か有益かわからない行動を抜いたとして、相手の顔を浮かべたときに、その…

汗をかかない季節になって

汗をかかない季節になって、家から持ち出したペットボトル麦茶も減らずにちょびちょびと飲めるのだ。香ばしすぎる味はおそらく昨日いれたものをそのままバッグに入れていたからだろう。前に飲んだのが5時間前くらいのことだ。次に飲むのはこんなことを考えた…

〇〇の街のこと

私は、ただいま25歳で、その年月のほとんどを東京23区内で過ごした。25年間のおよそほとんどは、おなじ地域の、おなじ地区を1、2ど移っただけで、生活圏を変えずに生きていくことができた。それは、両親が当時小学生だった私への配慮だったのだろうが、あり…

『サンシャワー 東南アジアの現代美術展』にいってきました

ただいま、国立新美術館からの帰り道だけれど、んんん……残像が強い、どこまでも頭に残っている。『サンシャワー展』は、東南アジアの歴史と民族の自己意識に絡んだ展示が主なものだ。でも、民族単位よりも、鑑賞者がより小さく眼差したときに、見方はガッと…

譲り合う精神

電車に乗っていたら、だんだんと車内に人が増えてきて、しかし座席は埋まるかそうでないかを行ったり来たりしていて、次の瞬間には判断しかねないから、無難に座らず立っておこう、と決めた乗客も増してきた。そこに、新入社員風の女性の3人組が乗車してきた…

別れの曲なんて聴くものではない(聴く)

深夜ラジオを聴いていたら、くるりの新曲が流れてきた。あれ、くるりって、シングルかアルバムか出すんだっけ?好きなミュージシャンなのに、最近のことをまったくさらっていなかった。中か低温度のファンなのがちょうどよくて、でもさすがにこの低温度はい…

なんでもよくなっていいのかよくわからないけれど

‪とてもじゃあないがすべてを語れない話題を書いていく。だいたいの輪郭しか伝えられないことは、そもそもこの場ではなくて面と向かって伝えられる場面において持ち寄るべきではあるけれど、まあそれでも、まとまっているものはまとめて出荷したいからここに…

旅1日目:盛岡

ホテルの部屋が、予想通り乾燥していた。そのうえ、やや暑かった。カーテンを引くこともないほど厚いフィルムが貼られた窓の、縁にある取っ手を引いて、数センチだけ小さく開ける。ほんの少しの外気を取り込むはずだったのに、盛岡の街の音がよく聞こえる。…

流れ星のようなものを

‪私の伝えたいこと、さらには伝えるそのニュアンスが、今ある言葉と言葉のそのあいだのものであるから、どうしても言語の外での伝達に頼ってしまう現状だ。‬ ‪たとえば、私は「祈る」という行為に貴い想いを抱いている。「祈る」こととは、人を、人の幸福を…

脈動

もしも私が電車に乗り、対面式の座席に向かい合う相手が私自身だったら、私としては、向かいに座る私と仲良くなれるだろうか。と問うたときに、もしかしたら、それはかなえられない願望ではなく、思いのほか呆気ないほど、意気投合できるかもしれない。と、…

明日に願いつつ

身体の熱も引いてきた。 微熱が続く日々に、本格的な休養を入れて、 なんとか落ち着かせようとしたことが、功を奏したのだ。 そしてまた、思い切ったことを実行に移す。 こんな旅は、最初で最後の旅かもしれない。 いろんな街を行く。歩く。そして上の空にな…

絵の課題

‪小学三年生の美術の授業で、黒い台紙にポスカで線を重ねて、花を描く、という課題が出された。私は自由に描きたくなり、色とりどりの線を、縦横無尽に繋いだり、交じり合わせたり、分岐させたりしていた。‬‪楽しい。私は溌剌としていった。跳ねるような心が…

4ブロックの散文

頭が弱くなった。心の中で響いたそのひとことを、認めざるを得なかった。私は、頭を使わないあまり、脳の機能が低下してしまった。その実感が、日に日に強まっているのだ。たとえば、つい数分前に話したこと、昨日語ったこと、数年前にこぼしたこと、それら…

窒息

苦しい。 体に力が入らない。 「心のスイッチ」とたとえるならば、 その在り処が知れない。 生きる気力も知れない。 今、何かしら死が待ち受けているとしても、 佇んだまま、微動だにせず眺め続けるだろう。 窓の外を。 誇らしいほどの青空で、 窓越しに熱気…

過活動の嵐よ去れ

①京都市内を流れる鴨川の、川が二又に分かれる出町柳のデルタ。幼少のことだった。飛び石を渡りながら対岸を目指していた。ふとバランスを崩して、片足だけ川に落ちてしまった。 ②風鈴の、江戸切子のように透き通ったガラスに差された赤と青の、金魚と水のよ…

貴方へ言いたいこと

私の中にはもうひとりの私がいる。 と書いてみると妙に意味ありげ、バックボーンの思わせぶりな態度だが、そのような深く重たいものでなく、ただ単に、私を監視する私がいるだけのことだ。その存在は、私が心を患って以降、欠かせない役割となった。彼の仕事…

決して手抜きではない

今年はじめてかき氷を食べた。 机の上で、威圧感を漂わせながら、でん、と佇んでいる。氷が硝子の器の倍は積み重ねられていて、抹茶味のシロップが、殴りつけるように荒々しく掛かっている。かき氷を食べるときに、存在感なんて考えたこともなかった。それも…

お知らせ

『前のブログの記事』というカテゴリに、はてなブログをする前の、ライブドアブログで書かれた記事をインポートしました。振り返って読むと、自分で言うのも変ですが、力をかけた、切実な文章だったのが、少しだけ力を得たような気になりました。お時間と余…

「言葉は想いを縛り付ける」というはなし

ここ最近の反省ごととして、 思っていることをSNSに載せすぎ、 ということがあったため、 このごろは、持ち歩きに適しているノートに 悩みや考え事をつらつらと書き連ねている。 それは近年、私が心がけていることで、 自身に転換を促したいときに使うやり方…

「美」のはなし

なぜ私は音楽を聴くのだろうか。 音が始まって数分間ガチャガチャ鳴り続け、 やがてサッと引いていき、 真っ黒な無音が数秒あったあとで、 またトチ狂ったような轟音がはじまって、 そう考えたら、 なぜこんなに、 私は取り憑かれたように音楽を聴いているの…

書き起こし「酔えること」

疲れたが、明日もあるし、いや明日は何の予定もないが、でも、予定に組み込まれないものも「予定」のうちのもので、起床から就寝までの連続した「予定」が、いつまで続くとなると、生きているうちか、でも救いがあると思えるのは、お酒を飲むと酔えるわけで…

美味しいビールを飲んだ夜

はじめてひとり飲みというものをした。新宿西口の思い出横丁。なぜよりによって、人生初のひとり飲みを、そんなディープな場所に選べたのか、自分の意外な胆力に驚く。 いや、でもたしか、そう、あの日は日曜日で、誰も飲む雰囲気でない街の表情で、その中で…

母と造花と酔い

私は私の文章が好きで嫌いだ。天邪鬼なだけなんだが、好きになっては突き放す、を繰り返す。痛ましい気になるのは、私によって生まれた文章たちに向けて、だ。私が母であるにもかかわらず、母に愛されない子はどのように青々しく生きていけるっていうのだ。 …

「突発的」のこと、突発的な書き手のこと

※とにかく自由に書きたかった。セオリーとはズレた書き方ではあるが、自分自身で許した。許してほしい。 足跡3つほど手前のころに、脳細胞が活発化した時期があった。小説が(つくり話が、知らない人の話が)書きたい。それだけを頭が占めていた期間のことだ…

哀しみを薄墨

哀しみの一文に心奪われるのは、 今まで、私が、哀しみ、というものに過敏だったからなのだろうか。この哀しみを、蓄積した哀情を言語化することにためらいがある。 それは、言語化によって取りこぼされる哀しみが、 全体の大半を占めているからだ。 (この…